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院長のひとりごと

夏風邪と鼻のトラブル

投稿日:2024.08.18

今年も酷暑となり、コロナもこの時期の流行をみましたが、皆さんお元気にお過ごしでしょうか。

夏風邪は、暑い季節に引く風邪のことを指しますが、その症状は冬の風邪と似ています。特に、鼻水や鼻づまりといった鼻に関するトラブルは、夏風邪の代表的な症状です。これらの症状は、日常生活においてとても不快で、集中力を欠いたり、睡眠の質を低下させたりする原因となります。

鼻水と鼻づまりの原因

夏風邪に限りませんがその原因は、主にウイルス感染によって引き起こされます。ウイルスが鼻の粘膜に侵入すると、体はそれを排除しようとし、鼻水を分泌します。鼻づまりは、鼻の粘膜が炎症を起こし、腫れることで鼻の通り道を狭くするためです。よって鼻水や鼻づまりがおこることから、鼻呼吸が困難になり、口呼吸を余儀なくされてしまいます。

またウイルスや細菌が体内に侵入するのは鼻の奥の突き当りにある「上咽頭」という場所になります。ここにウイルスや細菌が付着、侵入することを防ぐために鼻は

鼻呼吸の重要性

鼻呼吸は、体にとって非常に重要です。鼻の粘膜は、空気を吸った空気中に含まれるウイルスや細菌などを攻撃し、体内へ侵入を防ぐための免疫物質が備えられています。その中でも「IgA」という抗体は、さまざまな病原体に対し感染を予防することが知られています。鼻は、吸い込んだ空気を適切な温度と湿度に調整し、異物をフィルターする役割を果たしています。ところがハーバード大学から出されたある報告によると、これとは別にウイルスが鼻に入ったことが認識されると、鼻粘膜の細胞から、侵入したウイルスを攻撃する『細胞外小胞』(EV)と呼ばれる小さな物質を大量に放出し、EVがおとりとなってウイルスを取り込み、増殖を防ぐ機能が人の鼻には存在することが近年言われるようになってきました。しかし折角のそんな機能も、低温の環境では働きが半減してしまうのだそうです。このようなことも、エアコン使用下において鼻かぜをひきやすくする要因が、かいま見えてきます。更に鼻呼吸が妨げられると、口呼吸となり、上記のような免疫フィルターの働きを受けないまま、ウイルスや雑菌は、直接喉の乾燥や感染症のリスクとなります。その他、口呼吸はいびきや無呼吸の原因ともなり得ます。

対策と予防

夏風邪による鼻のトラブルを軽減するためには、いくつかの対策があります。そのひとつに部屋の温度と湿度を適切に保つことがあげられます。この時期鼻の不調で来院される方の多くは夜間のエアコンが効きすぎることで冷えと乾燥が原因と思われるケースが多くみられます。その他、手洗いやうがいといった基本行動や、夏バテしないようバランスの取れた食事と十分な睡眠を心掛け、免疫力を高めることも大切です。まだまだ暑さが続くと思われますが、夏風邪を未然に防ぎ、快適な夏を過ごしましょう。

夏の寝室の温度・湿度については、「ねとらぼ」さんよりWEB記事にして頂いたものがありますので、ご参考にされてください.

【猛暑】寝不足でイライラ、寝室でのケンカは夏に多発?──睡眠学の先生に「夏の不眠対策」のコツを聞いた - ねとらぼ (itmedia.co.jp)